前章ではコードの内音のほかに外音も適度に使うという改良を行いましたが、次はコード進行そのものを作り替えるという大改造を行います。言い換えれば、曲のバックとなる枠組みを変えるということでもあります。
コード進行を改良する
2番目に作ったメロディーは最初に比べると少しマシになっていますが、まだ垢抜けない感じがします。それは幼稚に聞こえる三大法則のうち、「コード進行が主要三和音だけでできている」点を解決していないからです。では次にコード進行を改造することを考えましょう。コードの機能的な進行はそのままにして、できる限り代理コードに置き換えるという方針で改造してみます。ここでもCメジャースケールで使用可能な代理コードを当てはめてみると、たとえば次のような進行が可能となります。
T→SD→D→T→SD→T→D→T
Cmaj7→Dm7→G7→Am→Fmaj7→Em7→G7→C
代理コードは三和音でも四和音でも良いのですが、よりリッチな響きが得られる四和音をメインに使っています。ここで7小節目のドミナント(G7)は常にDm7→G7という形に分割することができますので(トゥー・ファイブ化)、7小節目は2つに分けて最終的に次のようなコード進行が得られます。
Cmaj7→Dm7→G7→Am→Fmaj7→Em7→Dm7→G7→C
まずコード進行だけを弾いてみて下さい。主要三和音だけの時に比べればぐっと「大人っぽい」感じになってきたのがわかるでしょう。特にCmaj7やFmaj7のようなメジャーセブンス系コードはお洒落な響きが得られますので覚えておくと得です。また3小節目から4小節目にかけてのG7→Amという進行は、本来ならCに進むところをAmに置き換えて偽終止の形にしています。こうすることによって予想を裏切って意外な展開が可能になるわけです。
さて今度はこのコード進行からメロディーを作り出すわけですが、ここでは最初に作ったメロディーを改良していくことが目的ですので、なるべくその原型を残したまま音を入れ換えていくことにします。コードそのものが変わっていますので、当然内音として選べる音も違ってきます。新しいコード進行に合わせてメロディーを少し改造してみると、たとえば次のようになりました。
コードも一緒に弾いてもらうとだいぶ幼稚さが抜けてきたのがわかると思います。それは主要三和音の呪縛から逃れられたからです。AmやEm7のような主要三和音にはないコードを意図的に組み込んだことにより、必然的にメロディーとして選べる音の構成が変わり、バリエーションがぐっと広がります。またメロディーとコードとの兼ね合いから緊張感のある美しい響きが得られるのもわかると思います。
これで最初に作ったメロディーから比べると似つかぬほど改良されましたが、それでもメロディーだけ単独で聴いてみるとまだ野暮ったい感じは残りますね。それはリズムが単純だからです。では最後にリズムを改良することを考えましょう。
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