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C++Builder

C++Builder XE3を導入

投稿日:2012年12月2日 更新日:

これまでC++Builder 6, 2006, 2009とほぼ3年おきにアップデートしてきたのですが、2010, XE, XE2と見送って4世代ぶりにアップデートしました。今回アップデートに踏み切った最大の理由は、C++Builder 2009からのアップデートは今年末が最終期限になるからです。年内にアップデートしないと通常版を購入しなくてはならなくなります。それで半ば強制的なアップデートとなったわけです。

C++Builder XE3ではWindows 8への対応や、FireMonkeyフレームワークによるMac OS Xクロスプラットフォーム開発が最大の売りとなっていますが、別にそれが必要だったわけではありません。今まで使っていたC++Builder 2009は公式にはWindows Vistaまでしか対応していませんが、Windows 7でも問題なく動いていますし、おそらくWindows 8でも動くでしょう。OS固有の機能を使わない限りはC++Builder 2009でも十分で、あわててアップデートする必要はなかったのです。

しかし、このC++Builder 2009というバージョンはちょっと曲者で、Unicodeに対応した最初のバージョンであったことから、何かとバグが多いんですね。特に初期バージョンは酷くて、リリースを急ぎすぎたと批判されたものです。後のアップデートでだいぶ改善されましたが、それでもまだ怪しいところが散見されます。ですから、このバージョンとは早くお別れしたかったのですね。

またC++Builder XE以降からの特典として、2006を除く旧バージョンのライセンスが無料でもらえるようになったこともアップデートへの後押しになりました。特に2007が欲しかったのですね。なぜC++Builder 2007が欲しかったのかというと、これはANSIコード系の最終バージョンだからです。2009でUnicode対応になってからWindows 9x系では実行することができなくなりましたが、2007まではWindows 9x系で実行することが可能です。今さらWindows 9x系で動作させる必要はほぼなくなったのですが、かなり古いプロジェクトではAnsiStringに依存した実装になっているものが多くて、完全にUnicodeStringへ移植するのは大変なんですね。UnicodeStringでは2バイト文字の扱い方が変わったため、単純に置き換えるだけでは思わぬバグを巻き込む可能性があり、できるだけ移植は避けたいのです。それで仕方なくC++Builder 2006、あるいはもっと古いC++Builder 6を併用していたのですが、C++Builder 2006はWindows 7でまともに動作しない上に、やはりバグの多い不安定バージョンだったので、最も完成度が高い2007が欲しかったというわけです。

これで旧バージョンを一気に手に入れることができて、かなりお買い得感がありますが、さらに12月26日までに購入するとHTML5 Builderのライセンスが無料でもらえるという特典もあり、これは魅力的です。名前はHTML5 Builderですが、実際はJavaScriptやPHPを使ったビジュアル開発環境になっており、こちらも今後活用してみたいと思っています。それ以外に、現時点でまだ64bitには対応していませんが、来年には64bitコンパイラのリリースが予定されており、XE3ユーザーには無償で提供されることになっています。いよいよC++Builderも64bit対応が可能になるわけで、今回のアップデートはかなりお得感のあるものとなっています。

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