私はWindowsアプリケーション開発において日常的にC++Builderを使用しています。C++Builderとは、CodeGear社(Borlandと言った方がなじみのある方も多いでしょう)から提供されている統合型開発環境で、.NETを必要としないWindowsネイティブのソフトウェアを迅速に開発できる素晴らしい開発環境です。MicrosoftのVisual C++に比べても優れている点が多いのですが、普及度は今ひとつで情報も少ないようです。
C++Builderも数多くのバージョンアップを重ね、現在はC++Builder 2010がリリースされています。私が現在使っているバージョンはC++Builder 2009なのですが、過去のプログラムとの互換性からC++Builder 2006もいまだに使っています。C++Builderでは2009バージョンより大きな変更が加えられ、文字コードがそれまでのANSIからUnicodeに変更されました。これにより多言語対応が容易になった反面、過去のプログラムがそのままでは動かないケースも出てきます。
今後はUnicodeが主流になっていきますので、Tipsの中でも2009バージョン以降を対象にしていきたいと思いますが、それ以前のバージョンではUnicodeStringをAnsiStringに読み替えていただければほとんどそのままビルドできると思います。またC++BuilderのクラスライブラリであるVCL(Visual Component Library)は姉妹品のDelphiとも共通ですので、ある程度C++が理解できる方ならそのままDelphiにも応用できると思います。